メタバースクリエイター&ディレクターの いけもとしょう さんにメタバースのあれこれを語っていただく本連載。
今回は「コミュニティ性」をテーマにメタバースを語って頂きます。
クリエイター/ディレクター
最愛の娘へ贈る「おばけの世界」を「絵本」や「メタバース」に創っている人。創造を続けている目的は『100年残るIPとしておばけのパッチを新たな文化にし、子どもにおもしろい未来を贈る』。
どうも、メタバースクリエイター&ディレクターの「いけもとしょう」です。
今回は『メタバースで大切なのは、内外ともにコミュニティ性だよね』というお話をさせて頂きます。
「メタバースでイベントを開催しても誰も人が来ない…」「ただ広いだけの空間が出来上がっちゃった…」
とならない為のアイデアの一つとして、ご覧頂ければと思います。
まずはメタバース空間の中……に入る前の、現実世界のお話からしましょう。
2021年8月、元Facebook社代表マーク・ザッカーバーグが「我が社はこの先メタバースに力を入れていきます」と言い、社名をMetaに変更したことで、『メタバース』に多くの注目が集まり、企業が続々と『メタバース領域に参入したいな~』と思うようになりました。
ですがどうでしょう。参入した企業や今もメタバースに注力してる企業は、私が想定していたよりも少ない印象です。企業がメタバースの事業展開に”足踏みしていた”恐らくの理由・・・。それは「お金を生むことが見込めないから」ではないかと考えます。
資本主義の下生まれた会社はどれも『売上』や『利益』を生まないといけない・・・。もちろんそれは当然のことですが、やっぱりメタバース領域に参入しても、お金を生むのが難しいというイメージが先行していると感じます。
なぜメタバースに参入してもお金が生めないのか?私の考えは「人が来ないから」。
元来めんどくさがりな人間の性質に、新しいことや知らないことは怖いし怪しいという考えが根付いている日本人の特性が乗っかっているので、いきなり「メタバースでイベントやるよ!」と言っても人は来ないんですよ。
じゃあどうしたらいいんですかって話ですよね。ここで『コミュニティ』が登場します。
要するに『時間をかけて、顧客やファンにメタバースを馴染ませる』、もしくは『メタバースが馴染んでいるコミュニティを巻き込む』です。
あなたの周りの人間で形成されたコミュニティに『メタバース』を少しずつ染み込ませていかないと、結局は「人が集まらない…」「お金が生まれない…」という事態になってしまいます。
メタバースが浸透していないにせよ、ファンコミュニティが形成されているものが。
多くの人が知っているIP(知的財産。キャラクターとか世界観のことです)やアーティストさんなど。『メタバース』を使うにはもってこいでございます。例えば、ポケモンに登場するカントウ地方が完全再現されたメタバース空間ができたら…。
世界中の多くの人が絶対にその空間に行くんだと思います。
私は行きます。
その内、ポケモンGOと連携して、マジでバーチャル上で目が合ったトレーナーと戦えそうだし。
例えば、Adoさんと10人限定で小部屋でトークとかあったら…。
ファン歓喜だし絶対行きますよね。
だって現実では姿も明かされていないし、会うこともできないAdoさんと間近で話せるんですよ?
要するにこういったIPやアーティストさんや『ファンコミュニティを形成する』という、多くの人が挫折をするであろう第1ステップをクリアしているので、メタバースの空間でコンテンツや企画を展開するのは、意外と容易だよねって話です。
もちろん大人の事情でできるできないはあるかと思いますが、上記のコンテンツやイベントをメタバースで実施することができたら、もちろんマネタイズもできて、結果的にビジネスに繋がるよねって話です。
やっぱりあくまで『コミュニティ性』が優先ですね。
これに限った話ではありませんが、こと『メタバース』においてはコミュニティをものすごく意識したほうがいいのだろうなと感じています。
『メタバース』の空間そのものがコミュニティなので。
なので「メタバースでビジネスしまっせ!」と息巻く前に、まずはあなたや、あなたが所属する会社周辺のコミュニティに『メタバース』を浸透させるところから始めてみるといいかもしれません。