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2023.12.13

【連載】「メタバースディレクター」ってどんな仕事?

メタバースクリエイター&ディレクターの いけもとしょう さんにメタバースのあれこれを語っていただく本連載。
今回は「メタバースディレクター」というお仕事について、語って頂きました。
いけもとしょう

クリエイター/ディレクター

最愛の娘へ贈る「おばけの世界」を「絵本」や「メタバース」に創っている人。創造を続けている目的は『100年残るIPとしておばけのパッチを新たな文化にし、子どもにおもしろい未来を贈る』。

note|https://note.com/ikemotodir

どうも、メタバースクリエイター&ディレクターの「いけもとしょう」と申します。今回は『まだ数が少なすぎる、メタバース空間制作のディレクターってどんな職業なの?』というお話をさせて頂きます。
メタバースの空間を実際に形創っている、メタバースクリエイター&メタバースディレクターの違いなどにも触れていきます。

メタバースの「ディレクター」と「クリエイター」

まずは「メタバースディレクタ-」の言葉の意味について簡単にお話を。

メタバースとは、コミュニケーションをとったり、物を売り買いできる、デジタル上の仮想空間で、ゲームのような世界のことですよね。

ではディレクターはというと、日本語で「監督」「指揮者」という意味で、とあるプロジェクトの制作現場で、チームを取り仕切り、様々な判断の決定を下す人のことを指します。

日本ですと、テレビ番組の制作をしている人のイメージが強いかもしれませんが、様々な職業に当てはまる役割になります。

では、本日のメインテーマでもある「メタバースディレクター」がどんなお仕事なのかというと……。

デジタル上の仮想空間「メタバース」の制作において全体を取りまとめ、クリエイターさんの作業確認やスケジュール管理、クライアントの要望引き出しや諸々説明をする人で、メタバース空間制作現場の監督……みたいなところでしょうか。

少しややこしいのが、「ディレクターはクリエイターと違う」という点。

「クリエイター」というのは、実際に技術スキルを用いて「物を創る人」です。

動画の制作で考えるとわかりやすいかもしれません。

動画制作において「クリエイター」というのは、「撮影」というスキルを持つカメラマンのことや、「編集」という技術を持つ編集マンのこと。

あとは動画に「CG」を取り入れるCGクリエイターのこと。

では動画制作における「ディレクター」とは何をする人なのかというと、様々なクリエイターやクライアントを取りまとめ、1つの動画の企画や物語を考え、形にしていく人です。

ディレクターの方が偉いとか、クリエイターの方が偉いといった、そういう次元ではなく、どちらもいないとクオリティの高い動画は創れないのです。

そしてこの話は、メタバースにおいても同じです。

「メタバースディレクター」は上記の通り。

そして「メタバースクリエイター」は、実際にblenderやUnity、Unreal Engineなどの3DCGソフトで空間やアセット(空間に置くもの)を形創る人のことですね。

つまり「メタバースディレクター」と「メタバースクリエイター」がセットで居ることで、制作する空間のクオリティはあがり、目的に沿った空間を創りあげることができ、効率よく創造をすることができるのです。

今から「仕組み」を創りあげる

さて。

「メタバース」という言葉は、テレビやYouTubeなど様々なところで聞くようになり、2022年には、「新語・流行語大賞」にノミネートされます。

ガートナー社のハイプ・サイクル(特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度を示す図)によると現在は「幻滅期」に入っており、今後「回復期」「安定期」に突入するとのこと。

「流行期」を過ぎたため、「メタバースとかもう流行りじゃないでしょ…」という人もいるのですが、今でも日本国内だけでなく世界が注目していることは、言うまでもありません。

私が暮らす愛知県でも、名古屋にある中京テレビ放送株式会社が「24時間テレビ」の会場としてメタバース空間を使っていたり、犬山市の商工会議所や蒲郡市の企業がメタバース展示会を行っていたりします。

国内に目を広げると、サンリオがバーチャル空間で開催した来場者数120万人のイベント「SANRIO Virtual Festival in REALITY」、幾つもの世界ギネス記録を樹立してきたバーチャル空間上のイベント「Virtual Market」を株式会社HIKKYが開催したりしています。

規模感がすごい。

(引用:グリー株式会社 プレスリリース

そしてひとたび海を渡ってみれば、Meta社(旧Facebook社)がどうとか、Fortniteの海外ワールドクリエイターが収益化で何億円を稼いだとか……。

こういった「メタバース」関連のニュースは、毎日毎日出続けているのです。

それもそのはず。

先ほど言った通り、「メタバース」はこれから「回復期」を通過し、「安定期」に入っていくのです。

先行者や一部のビジネス界隈の盛り上がりではなく、一般層も使い始めるタイミングとでも言いましょうか。

それが5~10年後と言われてるんですよ。

つまり『今から』なんですよ。

だからこそ、今後「メタバース」の空間を自社で抱えたい企業様は、今のうちから「メタバースクリエイター」だけでなく「メタバースディレクター」を人材として囲うことで、クリエイター×ディレクターの「仕組み」を確立させることができるのではないでしょうか。

YouTubeが世の中に現れ、映像が人へ伝える手段としての最高峰へ登っていくさなか、自社に「映像制作チーム」を創った会社は少なくありません。

そしてそのチーム創りが早かった企業は、「仕組み」を早々に創りあげ、自社にあうコンテンツをバシバシ制作していきました。その「映像制作チーム」には、カメラマン、編集マン、CGクリエイターに加え、もちろんディレクターもいます。

この先この現象が、メタバースの領域で起こるのであれば……。

早く動き出す企業はどこなのでしょうか。

まだあくまで「たられば」の話ですけどね。

では。