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2023.12.22

意外な業界も!? XRのビジネス活用事例をピックアップ!

いまや家電量販店でもVRヘッドセットが並ぶなか、ビジネスの現場でXR(VR/AR/MR)技術を活用できないかと考える方も、少しずつ増えているかもしれません。

しかし、実際にはどのように活用できるのでしょうか? 本記事では、主に日本におけるXR技術のビジネス活用例を、いくつかピックアップしてご紹介します。

効率的な研修・トレーニングの場としての活用

XR活用領域のひとつに、研修・トレーニングが挙げられます。特にVRでは再現の難しい状況を再現し、何度もくりかえすことができるため、効果的な学習が期待できます。

(引用:ファミリーマート ニュースリリース

国内ではすでに事例が存在します。代表例としては、2019年に株式会社デジタル・ナレッジが株式会社松屋フーズへ提供した新人アルバイト向けVR接客トレーニングソリューションや、2020年にInstaVR株式会社が株式会社ファミリーマートへ提供したVR社員研修プログラムがあります。

特にファミリーマートでは、実証実験の段階ながら、教える側の教育時間が30時間、教わる側の教育時間も30時間削減されたと報告されています。その要因は「1人での学習」が可能になったことで、効率的な学習が実現したとのことです。

(動画引用:株式会社積木製作

また、株式会社大林組と株式会社積木製作は、施工管理者向け体験型教育システム「VRiel」を共同開発・販売しています。VR空間に再現された教育用の躯体(骨組み)で、鉄筋配置の不具合箇所を捜索・指摘する研修コンテンツで、VRヘッドセット一台で体験でき、かつ様々な不具合を手軽に再現できるのが特徴です。

(動画引用:Osso VR

医療分野での活用も盛んです。著名な例として、VR外科手術トレーニングプラットフォーム「Osso VR」が挙げられます。ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの医療機器メーカーとも提携し、2022年3月には6600万ドルの資金調達を実施するなど、大きく注目されています。

(動画引用:JOLLYGOOD

国内事例では、株式会社ジョリーグッドが提供する、医療VRコンテンツのサブスクリプションプラットフォーム「JOLLYGOOD+」があります。医師、看護師、臨床工学技士、救急救命士など、様々なポジションにおける教育VRコンテンツが300以上配信。定額で何度も体験できるのが特徴で、現場教育での活用が想定されています。

多角的な教育分野での活用

(動画引用:N高等学校・S高等学校

教育分野においても、XR技術は注目されています。とりわけ国内では、N高等学校・S高等学校がVRをフル活用しています。

同校では、生徒にVRヘッドセットが支給され、様々な授業をVRで受講できる体制が構築され、対面講義だけでなく体験も織り交ぜた教育が実施されています。授業だけでなく、面接練習、学校行事、生徒交流もVR空間で実施されており、生徒はカスタムの効くアバターで交流できるなど、VRをひとつの軸に据えた学校として運営されています。

(動画引用:スマート・チューター VR x AI英会話

教育機関だけでなく、「Immerse VR」や「スマート・チューター」といった英会話など、VRを活用した学習コンテンツの提供事例も存在します。また、不登校学生向けの支援プログラムを提供する一般社団法人プレプラといった団体も登場しており、教育とXRを絡めた取り組みは多角化も進みつつあります。

「ものを確認する」方法として活用

(動画引用:Spacely -どこでもかんたんVR制作ソフト-

「不動産の内見」という領域は、VRとの相性の良さから複数の企業がサービスを提供しています。Webブラウザでも手軽に確認できる360度画像・動画の採用例が多く、株式会社スペースリーやナーブ株式会社などが有名です。

(動画引用:株式会社ハシラス

株式会社ハシラスは、VR商談ツール「キネトスケイプ」をVR不動産内見向けサービスとしてプッシュしています。こちらはVR空間を活用するため、奥行きのある空間を自由に移動できるほか、複数人がその空間へ入ることができるため、より内見らしいサービスが実現できます。

(動画引用:キヤノンマーケティングジャパン / Canon Marketing Japan

XR技術の中でも、3DCGなどを現実空間上に呼び出す「MR(Mived Reality:複合現実)」は、バーチャルな製品確認などに活用できる技術として、活用が期待されています。キヤノンのMRシステム「MREAL」は、軽量なMRデバイスと基盤ソフトウェアを抱き合わせで提供しています。

(動画引用:Sony (Japan)

XRから大きく派生しますが、ソニーが提供中の「空間再現ディスプレイ」でも同様のユースケースが見込まれます。こちらは裸眼で3DCGなどの立体視ができるデバイスで、製品確認・医療向け用途(体内確認等)・展示コンテンツなどに適しています。

新たなプロモーションの場として活用

エンドユーザー向けプロモーションの場として、「VR版SNS」とも言われる「ソーシャルVR」が近年は注目されています。

(動画引用:日産自動車株式会社

代表的な事例は、日産自動車と株式会社往来の取り組みです。銀座にあるギャラリーの再現空間や、新車の体験空間、電気自動車の蓄電池活用を学べるゲームなどを、ソーシャルVR『VRChat』に公開。エンドユーザーへのプロモーション・認知拡大を数年単位で展開しています。

(動画引用:CASIO G-SHOCK

2023年には腕時計「G-SHOCK」の仮想店舗や、京セラのパビリオン空間など、企業の『VRChat』活用例が続出しています。運営企業とパートナー契約を結ぶ日本企業も2023年だけで10社以上登場しており、注目度の高さがうかがえます。

総括

まだまだ世間的にはなじみの薄いXR技術ですが、ビジネスでの領域はすでに様々な活用が広まっていることがおわかりいただけたでしょうか? とりわけ、トレーニングや教育の領域で活用が進んでいることが、数々の事例からも伝わったかと思います。

XR技術のビジネス活用は、デバイスの進化・普及と表裏一体です。現時点でVRの活用が進み出しているのは、Meta社によるVRヘッドセット『Meta Quest 2』が安価かつ使いやすく運用しやすいことが、少なからず影響していると思われます。また、『Meta Quest 2』と同等の性能を持ちながら、より軽量で装着感のよい『PICO 4』の登場も大きな要素です。

そして、今後の進展が期待されるのはMRの活用です。2023年10月に発売されたMeta社の新型VR/MRヘッドセット『Meta Quest 3』が、コンシューマー向け機種の中でも初めてに近い実践的なMR機能を搭載しており、MRという概念に触れる人が増加することが予測されるためです。また、『XREAL Air』などのようなメガネ型デバイスの存在も、この流れに貢献する可能性があると思われます。

2024年にはAppleより空間コンピューター『Vision Pro』が発売予定です。コントローラー不要で、視線と手の動きだけで操作できる「頭にかぶるコンピューター」というコンセプトのもと、より生活に根ざしたユースケースが提示された期待のデバイスです。こうした優れたデバイスが世に出ることで、XRはビジネスの現場にさらに浸透していくでしょう。