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2024.02.15

【連載】絶対に知っておきたい!メタバースの基本を3つ

テレビディレクターを生業としながら、絵本作家としても活躍。メタバースクリエイター&ディレクターとして自らメタバースプラットフォームを構築し、コミュニティも作っている! 面白いプロフィールの方がいると聞き、MetaStep編集部はコラムを依頼しました。

本連載では、メタバースクリエイター&ディレクターの いけもとしょう さんに、業界目線、メタバースディレクター目線、クリエイター目線など、さまざまな視点から、メタバースのあれこれを語って頂きます。

リアルでお会いすると、とても自然体で親しみやすい いけもとさん。「メタバースへの知識があまりない読者の方に、いけもとさんの自然体をそのまま原稿にしてください」と編集部からもリクエスト! 是非読者の皆さんもリラックスして連載をお楽しみ頂けると嬉しいです。では、連載スタートです!

いけもとしょう

いけもとしょう

クリエイター/ディレクター

最愛の娘へ贈る「おばけの世界」を「絵本」や「メタバース」に創っている人。創造を続けている目的は『100年残るIPとしておばけのパッチを新たな文化にし、子どもにおもしろい未来を贈る』。

note|https://note.com/ikemotodir

どうも。メタバースクリエイター&ディレクターの「いけもとしょう」と申します。

今回は『メタバースの世界に入るなら、最低限これは知っておきましょう』というお話をさせて頂きます。

 メタバースって何?

メタバース。

この言葉が初めて世界に登場したのは、作家のニール・スティーヴンスン氏が1992年に発表したサイバーパンク小説『スノウ・クラッシュ』という作品に登場する架空の仮想空間サービスの名称のようです。「meta=超越した」と「universe=宇宙」を組み合わせた造語とのこと。簡単にいえば「インターネット上に創られた3次元の仮想空間」です。

(引用:Hayakawa Books & Magazines

もう少し簡単に言うと「人とコミュニケーションが取れて、経済圏が存在するような、思った以上に色んなことができちゃうゲーム」って感じでどうでしょうか。

最初期のメタバースプラットフォームでいうと『セカンドライフ』というものがありましたね。約20年ほど前の2003年からスタートした、まさに『THEメタバース』というプラットフォーム。そこでは人々がアバターを通してコミュニケーションを取り、バーチャル上の土地という概念やお店、娯楽にファッション、ギャンブルや水商売なんかもあったんだとか。その代わり経験値を溜めたり、目的を達成するみたいなことはないので、ゲームとは違い本当の意味でかなり自由です。さらに特筆すべき点は、ゲーム内通貨が現実のお金と換金できるため、「メタバースでお金を稼ぐ」が本気でできてしまうことです。

繰り返しますがこのメタバースプラットフォームが生まれたのは20年前。2003年なのです。そこから日本のアニメーション映画でも『メタバース』のようなバーチャル上の仮想空間を題材にした作品がいくつも生まれてきました。

「ソード・アート・オンライン」「サマーウォーズ」「竜とそばかすの姫」などなど。これらの作品を見たことがある人は、「あの感じか!!」と一気にイメージができたと思います。

(引用:KADOKAWA anime

海外の映画でいうと「レディ・プレイヤー1」がまさに『メタバース』を題材にした代表的作品ですよね。最近ではインターネットやPCの進化により、「Fortnite」などのゲームも「これはメタバースだよね!」と注目を受けています。――なんとなく『メタバース』のイメージができたでしょうか。

メタバースの「勘違い」

では続いて、私も色々な人に何度も話してきた、『メタバース』に関する代表的な「勘違い」をお話していきます。

Q.メタバースってVRがないと入れないんでしょ?

A.VRが無くても入れますよ。

メタバースというのは、上記の通り「インターネット上に創られた3次元の仮想空間」のことです。VR(バーチャル・リアリティ)ゴーグルを用いれば、メタバースの世界へより深く没入し楽しむことができますが、なくても大丈夫です。

Q.メタバースにはNFTの土地が存在するんでしょ?

A.一部のプラットフォームに限られています。

そもそもNFT(Non Fungible Token)とはブロックチェーンを用いた技術です。例えば「The Sandbox」や「Decentraland」のように、ブロックチェーン上のメタバースであれば、バーチャル上の土地を有限個数細分化し、NFTにして売買されています。しかし世界最大のバーチャルプラットフォーム「VR Chat」はブロックチェーン上のメタバースではないので、NFTや暗号試算といった概念はないです。プラットフォームごとに目的や世界観が違うんですね。

Q.どうすれば、毎日多くの人で賑わうメタバース空間を創れるの?

A.今はまだ難しいかもしれません。

「メタバースへ行く」という行動は、多くの人にとって「日常ではなく、いつもと違う非日常」ってことです。メタバースで行われる世界最大のイベントとして「Virtual Market」も期間限定で毎日開催しているわけではないですし、メタバーストークショーなども常時同じ空間で開催しているわけではないです。

なぜかというと「メタバースが日常化していないから」だと思います。ゲーミングPCやVRゴーグルの普及率からみてもそれはお分かりになるかと思います。……といった中で「毎日ずっと人がいる空間」は、まだまだ課題も多いです。早く「サマーウォーズ」や「レディ・プレイヤー1」の世界がきてほしいものですね。

メタバースの「今」

さて。ここまでお話してきてお分かりの通り、メタバースにはもう「先行者利益」と言われるものが、さほどございません。「Gartner Japan」が出した『日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2023年』によると、「メタバース」は「過度の期待」のピーク時を過ぎて、現在「幻滅期」の真っ最中です。

ここから数年を経て、「生産性の安定期」に入っていくでしょう。つまり、メタバースと銘打っていれば誰もが飛びつく段階は終わったぞって話です。

だからこそ、先行者たちの実績や失敗をしっかりと見極めて、「メタバースを使ってどんなおもしろいことが生み出せるのか」を考え抜いていくことが、「メタバース」をビジネスに絡めるうえで求められるのかな、なんて思ったりしています。

メタバースがどういったもので、今どういう段階なのかを簡単にご紹介させて頂きました。

しかし、まずはあなたが入ってみないことには何も始まりません。そして多くのことに感動してみてください。

あなたが感じたその感動に、何かビジネスのヒントになるようなことが隠れているかもしれません。

では。