NTTデータグループ イノベーションセンタにXR/Identity エバンジェリストとして所属し、古くからXRスマートデバイス開発、コンサルティングに従事する山田達司さん。現在は企業のメタバース/XRの活用に関わりながら、さまざまな場所で講演を行っています。その知見をMetaStepでも共有頂くべく、MetaStep編集部はコラムを依頼しました。
コラムの打ち合わせ時にも、プロフィールのアバターで登場された山田さん! まさにメタバースを日頃から実践されていらっしゃいます。
今回のコラムのテーマは「メタバースの未来」。長年業界を見続けている山田さんの見解から、メタバースのビジネス活用について考えていきましょう。
2021年から2022年にかけて世界を騒がせたメタバースですが、メディアでそのキーワードを聞く機会はめっきり少なくなりました。はたして、メタバースはオワコンなのでしょうか?
2023年8月Gartnerが発表した「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2023年」においてメタバースは幻滅期の最下部にあります。一部のメディアはMeta社がメタバースから撤退するとさえ伝え(Meta社はこれを否定しましたが、メタバースについて言及する機会は激減しています)、メタバースビジネスへの注力を発表していたディズニーは2023年5月にメタバース部門を閉鎖しています。日本でもブームに合わせてメタバースビジネスを検討したものの、期待したROIが得られないなどの理由で事業化を断念した企業が約9割にあがるというレポートもあります。
このように苦境が伝えられるメタバースですが、私たちはメタバースはけしてオワコンではなく、今も着実に開発と進化が進んでおり、将来的な普及は間違いないと考えています。本稿ではその理由3つと、予想される普及のシナリオについて説明します。