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2024.02.22

【連載】NFTを活用して離島にビール工房を創ります(第1回)

鹿児島県の北西に位置する薩摩川内市の離島『甑島(こしきしま)』。風光明媚な自然と黒潮で育った豊かな海の幸で知られるこの土地でNFTを活用した面白いプロジェクトが進行中だ。その名も「離島ビール工房をデジタル所有証明の仕組みでプラモみたいに創るプロジェクト」。 

NFTでビール工房!?」噂を聞きつけたMetaStep編集部は、プロジェクトを統括するラフィングキューブ代表 松田裕之さんにコラム執筆を依頼! NFTを活用したプロジェクトの生の様子を定期的にレポート頂くことになりました。果たしてプロジェクトは成功するのか!? NFTがどのように活かされるのか。是非リアルタイムでお楽しみください。

はじめまして! セルフ島流し歴9年目の松田と申します!

この度、離島ビールプロジェクトのコラムを執筆させて頂けることになり、大変光栄に思っています。ありがとうございます!プロジェクトの概要から失敗談まで、進行中のプロジェクトを赤裸々にお伝えしていきたいと思っていますので、お読み頂けたら嬉しいです。

独断先行型で、一匹狼だった僕が、なぜコミュニティ型のプロジェクトを立ち上げるに至ったのか。

東京生まれ、横浜育ちの都会野郎が、なぜ離島というフィールドを選んだのか。

化石燃料をまき散らすオールドバイクを愛するアナログ革職人の描くサスティナブルな世界とは。などなど、一般的なNFT活用コラムとはちょっと違った目線でお届けできたらと考えています。

とは言え第1回目は、あえてキラキラした部分だけを伝えさせて下さい(笑)

それではよろしくお願いいたします!

鹿児島県の北西に位置する薩摩川内市の離島『甑島(こしきしま)』。風光明媚な自然と黒潮で育った豊かな海の幸で知られるこの土地に、NFTを活用することで、クラフトビール工房を立ち上げる前からファンを集い、プロセスを一緒に楽しんでくれる仲間と共に、プロジェクトを推進する取り組みを行っています。

このプロジェクトの目的は、甑島での新しい特産品の開発や、観光客の増加、耕作放棄地活用と雇用の創出など多岐にわたります。

そしてNFTを活用することによって、増幅される所有感を体験するファンの獲得と、それによって構築されるコミュニティが、自分事としてこのプロジェクトを楽しみ、強固な関係人口となっていくプロセスを、参加者皆が楽しみながら進める事を目標としています。

NFTコミュニティ派生の地域密着プロジェクト!?

これまでに、カバードピープルコミュニティ(NFTコミュニティ) においてNFT関連の事業として、薩摩川内市NFTふるさと納税導入、駅舎、空港でのNFT展示会、1000人規模の地域イベントなどを企画立案から実施まで行いました。それによりNFTは地域振興のツールとして、とても相性が良いツールであると感じました。

そこに昨今、注目度の高いクラフトビール事業をからめ、コミュニティメンバーの協力を得て実行してみようということで、プロジェクトを立ち上げるに至りました。

様々な協力を生み出す当事者意識

「まだ実在しないクラフトビール工房を所有する」と言う、一見すると掴みどころのないタイトルに興味を持ってくれた方に向け、丁寧に発信、説明や楽しむ方法、その価値を伝える事によって、理解の解像度が高いメンバーが集まり、個々がDAO的に活動してくれる事によって、様々な形での協力、発信や楽しむ為のコンテンツが続々と生まれています。

NFTの販売は2023年10月からスタートしました。NFTは実際の建物と連動し、各建材がモチーフのNFTで、KDDIのサービス『αUmarket』 からリリースしています。

まずは低価格帯の11,000円の基礎で始まり、現在の販売個数は、1,611個中459個。12月に販売されたのが13,000円の基礎ブロックと基礎ブロックセットで、基礎ブロックは257個中70個販売済、基礎ブロックセットについては30,000円で完売しました。

予定しているNFTについても予約が進んでおり、全体の半数近くが売れている状況です。

今後も丁寧にホルダー数を増やす事で、コミュニティ拡大を図ります。

ユーティリティは無いけど楽しそう!

『俺、離島のビール工房のオーナーなんだよね』

この一言を言えます!と言うのが、現状でのはっきりとしたユーティリティです。

ユーティリティについて確定していない現状でも、期待感を持って頂けている事も重要であり、メリットやユーティリティがあるから関わるのではなく、このプロジェクト、そして甑島に興味があって、楽しそうだから関わりたいと感じてもらっています。

「いつかは甑島を実際に訪れたい」という思いを加速させ、すでに20名近くの方は島を訪れています。現在のホルダー数が200名近くである事を考えると、10%の方が現地に来ている事になり、当面の目標である1000人のホルダーを達成した時には、200名近くの来訪が期待できます。これはプロジェクト型の関係人口が生み出すツーリズムの新しい形になって行くと、実感を持って期待している部分です。

乾杯のその先に

今後も、島内外やWEB上のたくさんの方達にこのプロジェクトを楽しんで見守ってもらい、おいしいビールで乾杯することを目指しつつ、下記の3つの点に重きを置いて活動をしていきたいと考えています。

「他地域・他事業でも共通して使える構造を持つ、NFTを活用した関係人口構築であること」

「ユーティリティ、メリット重視ではなく、NFTプロジェクト・コミュニティ関わる事に価値を見出し、当事者意識を加速させ、多岐にわたる協力を得れる事を示すこと」

「離島である事、アクセスしにくい事をNFT活用によってメリットに変換し、ある種の聖地化を成功させ、訪れたい場所として認知を広げる事に寄与すること」

このプロジェクトを立ち上げる以前から、自分自身がコミュニティに属すること、そしてさまざまな活動をする人と関わる中で、NFTの活用方法は無限大で、近い将来、一般に浸透していくことを確信しています。その可能性の一部を読者の皆さまにも感じて頂ければ幸いです。 

次回!「NFTコミュニティに出会ったら、総理大臣になりたくなった話」

工事開始は20244月。工房完成が8月で、許認可が下りるのが11月、年末までに本格的にビール製造を開始する予定です。そんなわけで、実はまだ始まっているとは言えないかもしれません。ですが、このプロジェクトはとても長期的で壮大なビジョンに繋げたいと考えています。

次回はNFTコミュニティに所属した事で起きた大きな意識の変化と、活動の中で見えた可能性、プロジェクトが立ち上がる経緯を詳しくお伝えします。

次回もお読みいただけたら嬉しいです!ありがとうございました!

関連リンク 

松田裕之

株式会社Laughing Cubeの代表。薩摩川内市甑島在住。ダーツバー経営、地域おこし協力隊、ビジネスホテル運営などのキャリアを持つ。

2022年にカバードピープルのコミュニティに参加。カバードピープルと鹿児島県薩摩川内市とのふるさと納税のコラボレーションを企画・実行した立役者。