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2024.04.02

デジタルツインとは?メリットや活用事例を紹介

デジタルツインは、簡単に説明すると「現実世界を仮想空間に忠実に再現する技術」です。主に製造業や都市開発の分野に活用されています。

この記事では、デジタルツインとは何か、メリットや具体的な活用事例を交えて紹介します。混同しがちな「メタバース」との違いも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください!(文=MetaStep編集部)

デジタルツインとは?主なメリットを解説

デジタルツインは、ツイン(双子)の名前が示す通り「実際の物やシステムをコンピューター上で忠実に再現する」技術です。例えば、実物と同じ比率で作られた建物や道路のCGモデルが一つの例です。忠実に再現されていることから、実物に限りなく近いシミュレーションや実証実験を可能にしています。

(国土交通省:地下埋設物データを活用した都市開発のDX)

デジタルツインを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

試作コストの削減

データに基づいた品質向上

予知保全が可能

遠隔地から技術を伝えられる

自動車など産業製品は、試作・実験を繰り返すたびに再生産が必要なケースや、実験場の確保や輸送など、一連のコストが大幅にかかりますが、デジタルツインを用いた仮想空間上なら、現実と同じ条件で実験をし、製品修正はCGモデルのみ。輸送コストや現場の確保も必要無い為、様々なコストが削減できます。また、現実世界で収集したデータをただちに仮想空間に反映できるため、製造や開発プロセスを改善することによる品質向上が可能です。

さらに、データを元に故障や性能低下が発生する前に予知し、大きな事故が起こる前に保守や修理ができます。仮想空間は遠隔地からでも操作ができるため、技術者が機器の操作やメンテナンスが可能となり、旅費や時間を短縮できるメリットもあるのです。

デジタルツインとメタバースの違い

デジタルツインとメタバースは、どちらも仮想空間に構築されるため、一見して似たようなものに感じられますが、主な用途が異なります。特に大きな違いを表にまとめたので参考にしてください。

デジタルツイン メタバース
仮想空間の違い 現実世界を仮想空間に忠実に再現する 架空の建物やキャラクターも存在することもある
主な用途 都市開発や生産ライン、医療での活用 他のユーザーとの交流や経済活動、非日常体験
アバターの使用 かならずしも必要としない 主にアバターを介して他のユーザーと交流する

デジタルツインは主に産業分野での検証・改善を、メタバースは他のユーザーとの交流を目的として使われるとイメージすると良いでしょう。

デジタルツインの活用事例3選

VIRTUAL SHIZUOKA|静岡市を仮想空間に再現

VIRTUAL SHIZUOKA(バーチャル しずおか)は、静岡県をレーザースキャナ等で広範囲に測量し、仮想空間上で1分の1スケールで再現するプロジェクトです。

インフラの維持管理や防災対策、観光、自動運転、エンタメなど、新たな社会インフラとして活用されることを想定されています。 ※VIRTUAL SHIZUOKA プラットフォーム Webブラウザから体験できます!早速試してみてください。

シーメンス|仮想空間に工場を再現

グローバルテクノロジー企業シーメンスでは、産業ロボットや周辺装置を仮想空間に再現することで、リスクを抑えた生産ラインの立ち上げを可能としています。

また、仮想空間でのシミュレーションより、装置構成やプログラムの確認を行い、実際の環境でのライン立ち上げ時に起こりうるトラブルを未然に防ぐことも可能です。

トヨタ|Woven Cityの開発に活用

トヨタは、自動運転やロボット物流などの様々な技術・サービスの実証実験を行うスマートシティ「Woven City(ウーブン・シティ)」の開発を進めています。WovenCity全体を仮想空間に再現し、都市設計やサービス企画などをシミュレーションしています。

デジタルツイン技術を活用することで、やり直しのきかない都市開発を何度でも検証できるため、開発をスムーズに進めることが可能です。

まとめ

本記事では、デジタルツインの概要やメリット、具体的な活用事例について解説しました。製造業や建築分野などでは、必要不可欠な技術です。

今後も需要の増加が見込まれており、総務省の発表では世界のデジタルツインの市場規模は2020年の2,830億円から、2025年には3兆9,142億円まで成長すると予測されています!(参考:令和5年 情報通信に関する現状報告の概要)今回紹介した分野だけでなく、より幅広い分野で活用されていくでしょう。MetaStepでは新しい活用事例や取り組みを随時更新していきます!