メタバースをマーケティングに活用する。これは大手企業だけの特権なのだろうか。障壁となるのは「コスト」だろう。特に中小零細企業が「活用するにも費用が掛かりそうで手が届かない」と二の足を踏むのは当然だ。
だが「それは大きな間違い。機動力のある中小零細企業にこそチャンス」と語るのは、Web制作やコンサルティング事業を手掛けるOH26株式会社 代表取締役の小野晴世氏だ。
小野氏は、自身で10年以上オンラインショップを運用していた経験と実績、さらに中小企業診断士としての顔をもち、デジタルを活用したマーケティング戦略の企画・立案・実行に定評がある。そんな小野氏は、2022年メタバースプラットフォーム「Spatial(スぺ―シャル)」の日本で初めての公式ガイドとして認定され、メタバースマーケティングのパイオニアでありスペシャリストだ。小野氏はSpatialについて「中小零細企業にとって、何よりも嬉しいのは無料で使えること。プログラミングや3DCGのソフトが使えなくても感覚的に使える」と語る。
Spatialとは
スタイリッシュな空間デザインとリアルなアバターが特徴のメタバースプラットフォーム。3DCGで制作したワールドが無料で公開できるのがメリットのひとつで、テンプレートやオブジェクトも無料で多数用意されているため、専門知識がない人でもメタバースを作ることが可能。
今回、MetaStep(メタステップ)編集部は「コストを極力かけずにメタバースをマーケティング活用に使う」セオリーを聞くべく、小野氏にインタビュー。水面下で事例が増えている、中小零細企業の活用事例を中心に、メタバースのマーケティング活用の実態を聞いた。(文=MetaStep編集部)
小野氏によれば「メタバースマーケティングには、広報と広告、コミュニティの3つの方向性がある」という。3つについて、それぞれご説明いただいた。