eスポーツの「熱狂」の渦が徐々に日本にも押し寄せている。インターネットの普及により世界では1990年代から徐々にゲームのスポーツ化が進んでいたが、日本でeスポーツという言葉が浸透し始めたのは2018年に流行語大賞に選ばれたくらいからだろう。「日本eスポーツ白書2023」によると、2019年に61億円だった市場規模は2024年に194億円、2025年は217億円まで成長する見通し。その勢いは右肩上がりに上昇している。
出展:2019~2025年eスポーツ市場規模推移「日本eスポーツ白書2023」(一般社団法人日本eスポーツ連合)
出展:2019~2025年eスポーツファン数推移「日本eスポーツ白書2023」(一般社団法人日本eスポーツ連合)
eスポーツといえばその賞金額も凄まじい。2024年の夏にサウジアラビア開催される「eスポーツワールドカップ」の賞金額はなんと6000万ドル(約93億円)。最近ではメタバース上でeスポーツを観戦できるサービスの事業化に取り組む企業が出てきたりと、まさにその市場は進化の時を迎えているのだ。
……と、これらの情報を静観していたMetaStep(メタステップ)編集部。その頭にはこの文字が浮かぶ。
「eスポーツって……結局どんなものなんだろう?」
ということで、MetaStep編集部は、現役プロeスポーツプレーヤーとしても活動するCHUNEさんにコラム執筆を依頼! eスポーツの面白さ、eスポーツ×メタバース×NFTの可能性についてプレイヤーの立場から語っていただくことにしました。まさに“進化の時”を迎えているeスポーツの世界、皆さんもお楽しみください!
CHUNE(チュネ)
18歳で大分からモデルデビューで上京し、ゲーム(eスポーツ)に出会う。CMや広告でモデルとして活動しながらeスポーツチームFENNELでゲームストリーマーとしても活動中。
みなさん、初めまして! eスポーツチームFENNEL(フェンネル)所属ゲームストリーマーのCHUNE(ちゅね)と申します。
早速ですが皆さん、eスポーツについてはどのくらいご存知ですか?
「聞いたことあるけど…」「なんか、ニュースやSNSで見たことあるなー」「盛り上がってるらしいけど全然わからない…」という方が大半ではないでしょうか。
このコラムでは、そもそも「eスポーツ」とはなんなのか、eスポーツの魅力や面白さをお伝えするのはもちろん、eスポーツ×メタバース×NFTが掛け合わさることでどんな未来が待っているのか、プレイヤーの立場からお伝えできればと思います!
第1回目は「eスポーツって結局ナニ!?」というところから、一緒に紐解いていきましょう!
eスポーツは、「Electronic Sports/エレクトロニック・スポーツ」の略で、簡単に説明すると「テレビゲームを用いたスポーツ」です。
みなさん、小さいころに友達とゲームで対戦した記憶ってありませんか?
どっちが先にゴールできるか……だれが先に敵を倒すか……とか。
これの超進化版がeスポーツです!!
ゲームのプレイヤーが“選手”と呼ばれるようになり、企業が参入して“チーム”ができ、そのチームを観戦する“観客”が増えて、“eスポーツ”と呼ばれるようになりました。(「eスポーツ」という言葉自体は10年ほど前から出てきたワードです!)今や世界大会が開催されるまでになり、その賞金は「数億円」にものぼります!
eスポーツの大会は、日本各地で行われる地方大会から世界大会まで大小様々。選手たちはeスポーツチームやスポンサー企業の支援によって「職業」として日々練習に励んでいます。(ちなみにeスポーツで採用されるゲームは、「競技性の高いゲーム」です!)
サッカーや野球などをここでは、「リアルスポーツ」と呼ばせていただきますが、リアルスポーツの世界もチームやスポンサー企業からの支援によって成り立っていますよね。それと同じです! 私の所属しているFENNELにも世界大会で戦う選手が何名も所属しています。
私の所属するFENNELのメンバー
eスポーツが世界的な盛り上がりをみせている理由について、プレイヤーである私が感じるのは2つ!
まず、1つ目は「“スポーツ”であること」です!
野球をやっていたらメジャーリーグで活躍している選手って憧れますよね。サッカーで選手がハットトリックしたらその技術に感動して「自分もできるようになりたい!」と練習しますよね。オリンピックでバスケットボールの選手が活躍していたら会場に行って応援したくなりますよね!
eスポーツでも同じように選手に憧れ、目指し、応援する。その熱狂の輪がSNSを通して拡散され、強い選手やプレイヤーにファンが付くことでどんどん盛り上がりが加速しているんです。
eスポーツ大会の会場はリアルスポーツと同じくらい盛り上がっています!
サッカーや野球、バスケットボールを好きな理由を改めて考えると、「小さいころ自分がやっていた」「周り(友達)にやっている人がいた」など、自分の“身近”にあるスポーツから好きになることが多いのではないでしょうか?
eスポーツが楽しいと思ってくださっている方々も、リアルスポーツと同じように小さいころに友達とゲームで勝負した経験があったり、社会人になってスマートフォン、テレビゲーム筐体、パソコンなどのゲームでランキングを競ったりするなど、ゲームを“身近”に感じている方が多い印象です。これがリアルスポーツと同じような「熱狂」を生み出しているのだと思います!
そして、2つ目は「ゲームストリーマーの存在」です。
ゲームストリーマーとは、ゲームを用いて配信をしているインフルエンサーです。この方々のおかげで、普段プレイしない人でも身近にゲームを体感出来るようになりました。
最近では、Vtuber(バーチャルアバターがゲーム実況をストリーミング配信する人)や、ゲーム好きの芸能人の配信も人気ですよね!
こういったインフルエンサー・芸能人の活躍やそれに伴うファンの増加がeスポーツ全体の盛り上がりにも関係していると思います。
私自身もeスポーツプレーヤーとして参加しています
eスポーツはゲームを用いた競技なので、1つのゲームという「世界」の中にいるキャラクターを自分で操作し戦います。(ガードゲームなどは別です!)
ではこのゲームの世界がメタバースで再現出来たらどうでしょう?
自分のキャラクターが立体的に見えたり、目の前に現れた敵の攻撃がよりリアルに再現されたり、格闘ゲームの人間離れした技の数々を間近で見れたり……。
メタバースの中だったらこの熱きバトルが目の前で繰り広げられるわけです。想像しただけでもワクワクが止まりませんね…!
また、eスポーツは、オンライン大会とオフライン大会があって、オンライン大会の場合プレイヤーはインターネット回線を通して世界中どこからでも参加する事ができます。
国内大会、世界大会の予選は大体オンラインで開催されることが多く、その様子がインターネット上で生配信されています。
もちろん配信での観戦も盛り上がりますが、大きなモニターでプレイ画面が表示され観客も一丸となって応援するオフラインの観戦は歓声や選手の熱をより感じることができて格別…!
ゲームセンターにある格闘ゲームの周りに人が集まって戦いの行方を見守っている人たちがいますよね(笑)その何百倍にもなっているのがオフライン大会です!
サッカーや野球をスポーツバーで観戦したりしたことはありますか?eスポーツも同様に1つの場所にファンが集まって観戦するイベントが増えています。ただ、遠方に住んでいて行くことができない、などの課題もあります。そんな時、メタバースで観戦ができたらどうでしょう!どこにいても参加する事が出来る様になるのでまさに一丸となって応援できるようになりますよね!
観戦というとユニフォームやタオルなどのグッズもありますが、これらグッズもNFTになっていたら楽しですよね。(コレクターが増えそうです(笑))
FENNELではアパレルや音楽など、eスポーツを起点に様々なカルチャーを生み出すべく日々頑張っています
第1回目となるこの記事ではeスポーツの魅力や可能性をほんの一部分しか伝えられていないので、今後の記事では大会の様子などもお伝え出来たらいいなと思っています!
(私もみなさんにまたお届けできるのが楽しみです!)
最後まで一読いただきありがとうございます。次回の記事をお楽しみに!