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2024.06.26

【インタビュー】オフィス回帰のいま、「バーチャルオフィス」は必要?

コロナ禍による外出自粛も一旦は落ち着き、従業員がオフィスに出社する日常が戻っています。それに伴い、急激に需要が高まっていたテレワークやバーチャルオフィスも、新たな局面を迎えています。「もはや、バーチャルオフィスは不要?」そんな風に思う読者もいるかもしれません。では、実際のところはどうなのでしょうか?

今回、MetaStep編集部はバーチャルオフィス「ovice(オヴィス)」の広報担当 市川伸さんにインタビュー。オフィス回帰の今、バーチャルオフィスが求められる理由を語っていただきました。市川さんのお話から編集部が腹落ちしたのは、「見えない」ことで生まれる課題の解消。バーチャルオフィスへの考え方をこの機にアップデートしてみましょう。

プロフィール

ovice株式会社 広報担当 市川伸

一部上場企業からスタートアップまで約20年間広報の仕事を担当。2022年4月ovice社に入社後、Corporate Communicationで責任者を担っている。2023年4月に家族3人で長野県軽井沢町に移住。家族構成は妻(会社経営・在宅勤務)、長男(5才)。

市川様プロフィール

       

もう一度見直そう。「柔軟な働き方」ができるバーチャルオフィスの利点

再び出社する日常が戻った今、バーチャルオフィス離れは進んでいるのでしょうか?

2020年以降、感染症がきっかけで日本でもテレワークが急速に広まりました。日本政府が「柔軟な働き方」の実現に向けた方針を示していることもあり、感染症が収束し、出社が可能となった今でも、働き方の一つとしてテレワークを継続する企業が数多く存在します。

テレワークでは、社員の姿が見えないことで生じる課題は少なくありません。例えば「今、上司や同僚の状況が分からないから、確認が行えず仕事が進まない」、「新しいチームに異動したものの、誰が何の担当をしているのか把握するのが難しい」、「チームに対する帰属意識を持てない」といった声がたびたび聞かれます。結果、オフィス出社に戻す企業も増えています。

しかし、バーチャルオフィス(仮想オフィス)を活用することで、ひと目で同僚の状態がわかりスムーズに連携できるため、上記のような問題を解消することができます。そのため、わざわざオンライン会議を設定したり、相手のカレンダーを確認したり、空き時間に電話するということをせずとも、ちょっとした確認のためにアバターを介して相手に話しかけることが可能です。

 バーチャルオフィスoviceの画面。現実のオフィスと全く同じように、隣の同僚に「話しかける」だけでタイムリーに仕事の確認ができる。アバターの様子を見るだけで状況がわかることもバーチャルオフィスの特徴。

なるほど。3D空間を使ったメタバースと構造は一緒ですが、このようにシンプルな形にすると、バーチャルオフィスのメリットが分かりやすいですね。

そうなんです。メンバーの状況を可視化し、適切なタイミングでコミュニケーションを取ることができるバーチャルオフィスは、テレワークとオフィス出社が混在していても、メンバー全員が集まる場所になり、仕事の連携をスムーズにします。

メタバースオフィスを導入した企業の多くが、コミュニケーションの活性化や問題解決のスピードアップを実感しています。離れた場所にいるメンバーとも一体感を持って連携でき、社員エンゲージメントの向上にもつながっています。

また、居住地を限定せずに優秀な人材が採用できる点や、リアルなオフィスの面積を縮小することによる経費削減、災害発生時でも業務できるというBCP対策等、様々な利点があります。

オフィス出社やテレワークの欠点をバーチャルオフィスで埋める

具体的にバーチャルオフィスをうまく使いこなしている企業の好事例について教えてください。

1つ目の事例はNTTデータ様です。従来の課題として、オフィスに出社する社員とテレワークの社員が混在する環境でコミュニケーションが活性化されないことが挙げられました。バーチャルオフィスoviceを導入したことで、離れた場所にいても「同じ場所にいる安心感」を醸成。社員の方々からは「チームのメンバーであることを感じられる唯一の場所」と言っていただきました。 

引用:NTTデータ様 事例記事

バーチャルオフィスに全てのツールを集約する必要はない。Slackも併用し、自社にあった使い方をするのが正しい活用法ともいえる

中外製薬様でも、テレワーク下での社員間のコミュニケーション不足が問題となっていました。バーチャルオフィスの導入により、オンライン上でも気軽に声をかけ合える雰囲気が生まれ、「チームの一体感が高まった」とのお声をいただいています。

引用:中外製薬様 事例記事

中外製薬カスタマーソリューション部のバーチャルオフィス。地域横断のメンバーで、距離は離れていても信頼関係を構築できる、と好評の様子

多拠点・グローバルに展開する企業にとって、拠点間のコミュニケーション円滑化は重要な課題です。メタバースオフィスなら距離を越えて、社員をつなぐことができます。

メリットはよくわかりましたが、それでも「オフィスが一番!」という人も多そうです。

オフィス出社に戻す理由として、「社員間のスムーズな連携のため」という項目があがります。もちろん出社ならではのメリットもあります。しかし、組織内にテレワークの人が一部でも混在していると、お互いの状況がわからないという課題は引き続き発生しています。

また、オフィスに出社している人同士でも、フロアが違っていたり、同じフロアでも離れた場所にいる場合はすぐにコミュニケーションを取れるわけではありません。テレワークの時のように「今話しかけて良いか分からない」という状態で、スムーズな連携ができるとは言えない状況です。

実はテレワークだけでなくオフィス出社同士でも発生している、「見えない」ことで生まれる課題。その解決に向けて、私たちはバーチャルオフィスが有効な選択肢になると考えています。

このようにテレワークとオフィス出社が両立している現在、バーチャルオフィスはどちらの働き方にも欠かせないプラットフォームだという認識が広がっています。そうした背景から、厚生労働省が進める「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」の令和6年度改正で、バーチャルオフィスのサービス利用料が初めて助成の対象となりました。

厚生労働省:人材確保等支援助成金(テレワークコース)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/telework_zyosei_R3.html

テレワークを実施した後、雇用管理(人材の確保・定着率の向上など)で一定の成果を上げた中小企業を対象とする助成金。
最大で支給対象経費の75%、200万円が支給される制度となっている。

oViceは、国の助成金に加えて独自のサポートを用意した「中小企業テレワーク応援プログラム」を提供しています。

最後に、MetaStep(メタステップ)読者にアドバイスをお願いします。

テレワークとオフィス勤務が混在する「ハイブリッドワーク」が進む中、チームのコミュニケーションをいかに最適化するかを考える必要があります。バーチャルオフィスであれば、どこで働いていようともお互いの状況がよくわかり、まるでみんな同じオフィスにいるかのように、適切なタイミングでコミュニケーションが取れます。それは組織の業務スピードの向上に繋がります。

バーチャルオフィスが人々の働き方を進化させ、より良い社会を実現するための一助となることを願っています。働き方を見直す機運が高まる今だからこそ、バーチャルオフィスの利点に目を向けてみてはいかがでしょうか? 当社では毎週、バーチャルオフィスの体験説明会を実施しています。是非バーチャルオフィスを実際に体感してみてください。