1. MetaStep TOP
  2. ビジネス活用を学ぶ
  3. バーチャルマーケットの歩き方【ビジネス活用編(メッセホールディングス)】

延べ120万人以上が来場、今回で12回目を迎える「バーチャルマーケット2024 Summer」に潜入取材し、レポートする本連載。「イントロダクション」「ビギナー編」前回の「ビジネス編花王グループカスタマーマーケティング」に続き、ビジネス活用編の第2弾。今回は、居場所革命を掲げ、遊技施設から大規模温浴施設まで幅広く事業を手掛けるメッセホールディングスの宮本 茂氏、森本健人氏、HIKKYの田中あさみ氏に、出展の狙いから、メタバースをビジネス活用するメリットについて聞いた。「バーチャルマーケット」へ初出展となるメッセホールディングスが(おそらく)世界初となる、サウナの「“ととのう”体験」が可能なブースを出展することもさることながら、【メタバースのビジネス活用の新たな可能性】を感じることができたインタビューとなった。実際にメタバースを活用しようと取り組んだからこそわかる、示唆に富んでいる内容なので、今後メタバースを活用したいと考える企業担当者や、すでにメタバースを活用したことがある担当者にもぜひ、ご覧頂きたい。(文=MetaStep編集部)

今回お話を伺ったのは

株式会社メッセ 
専務取締役 宮本 茂氏

2001年に東京大学大学院工学系研究科修了、在学時、VR研究の第一人者として著名な廣瀬研究室で、通信技術やバーチャル空間を使ったコミュニケーションの研究に従事。同年ソニー株式会社入社。2004年より株式会社メッセ入社。店舗運営、営業、人事を経験し、2017年から現職。エンゲージメント日本一の企業を決める「ベストモチベーションカンパニーアワード」で、2021年から3年連続で日本一となり、史上初の殿堂入りを果たす。著書に『組織X』(プレジデント社 出版日2024/2/15)がある。

株式会社メッセ
採用・ブランドMGR
 森本健人氏

2020年、株式会社メッセに新卒入社。店舗運営、広報を経験し、2024年から現職にて、新卒採用やコーポレートブランディングに従事。バーチャルマーケットでは、事務局長として開発に深く携わる。

株式会社HIKKY
営業チーム 田中あさみ氏

HIKKY創業当初より営業チームとして様々な出展企業の営業・制作を担当。今回も複数の出展企業を担当する中、メッセホールディングスの営業・制作進行担当としても従事。

なぜ仮想空間に新たな居場所を作ろうと考えたのか

― 今回、なぜバーチャルマーケットに出展したのですか?

森本…当社は、サウナやカフェなど次世代複合居場所施設や、遊技業などのエンターテイメント事業を手掛けています。バーチャルとは対極のフィジカル、つまり、リアルな店舗を運営している企業ですが、今回の出展は必然でした。というのも、当社がミッションに掲げる「居場所革命」の考えにマッチしていたからです。デジタル化が急速に進み、確かに便利な時代になりましたが、その結果「孤独」が大きな社会課題になっていると考えてます。孤独を解消する一つの手段として「極上体験の民主化」を目指し、事業を展開しています。手の届きづらい高級旅館やリゾートだけでなく、近場にある手ごろな価格で楽しめる極上体験を提供し、人々が集まる居場所を作っていきたいと考えています。

宮本…
バーチャルマーケットに出展した理由は、「タイミングとご縁」が大きかった。本音を言いますと、数年前までバーチャルを活用するとは、夢にも思っていなかった。当社は、リアルに強みを持つ企業ではありますが、私はもともと、リアルとは真逆のデジタルの分野で生きてきた人間です。もう30年近く前になるでしょうか。VR研究の第一人者としてその当時から活躍されていた東京大学の廣瀬研究室で、通信技術やバーチャル空間を使ったコミュニケーションの研究をしていました。その後、ソニーで、音楽配信システムの開発なども行い、父が経営する現在の会社に入社しました。

実は最近まで、バーチャルリアリティの実用性はまだまだ低く、また、当社の強みが発揮できるリアルとは相反する存在のように感じていました。転機になったのは2024年2月に出版した『組織X』という本を執筆したことでした。著名な先生方とお話しする機会にも恵まれた中で、バーチャル領域の可能性を感じ、バーチャルの世界にも居場所を作るべきだと考えが変わっていきました。

そんな矢先、知人を通じてHIKKYとの出会いがありました。偶然のご縁ではありましたが、舟越代表とお話をする中で、HIKKYと相性が良いとすぐに感じました。当社は、提供すべき居場所を「自然空間」「都市空間」「仮想空間」と定めています。当社はリアルが軸、HIKKYはバーチャルが軸ですが、アプローチは真逆でも、HIKKYと同じものを追い求めていると感じました。お互いの強みを補完し合いながら、求める居場所を作る。開催まで多くの議論を交わしてきましたが、今では出会うべくして出会ったように感じています。

会員登録されていない方は、下記よりご登録ください。
登録後、ログイン頂くとお読みいただけます。