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2024.10.30

【コラム】メタバースと現実世界の相互性――互いに影響しあう両者について考える

MetaStepでは様々なライター様にご協力いただき、日々コンテンツをお届けしております。この度、MetaStep初となるVTuberとの共創が始まりました! 

お名前は「咲文(さきふみ)でんこ」さん。AI・メタバース・ゲームに精通し、多くの商業Webメディアへの寄稿するライターさんです。ご自身もバーチャル住民としてcluster、NeosVR、VRChatといった様々なプラットフォームで生活中。イベントMC、ラジオパーソナリティ、DJなど多岐にわたる活動を通し、メタバースの魅力を発信されています。

バーチャル住民の目線から、様々なトピックについてコラムをご執筆いただくとともに、今後もさらなるコラボ企画を通してMetaStepを盛り上げていただきます!

記念すべき初回のテーマは「メタバースと現実世界の相互性について」。MetaStepのローンチから半年が経過した今、改めてメタバースそれ自身について考えていきましょう。それではでんこさん、お願いします!

咲文(さきふみ)でんこ

AI・メタバース・ゲーム業界を追うフリーライター/ジャーナリスト。ゲームライターとしてキャリアをスタートし、テクノロジーの進化と共に取材領域を拡大している。また、ライティングの傍ら、VTuberとしても活動中。

「自分たちのビジネスにメタバースを役立てたい」。そう思われている企業担当者の方は少なくないのでしょうか。もしくは「自分たちのビジネスにはメタバースなんて関係ない」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、私はそうは思いません。

申し遅れました。私は、メタバースのヘビーユーザーであり、メタバース関連について追い続けているジャーナリストの咲文でんこと申します。メタバースのバーチャル空間内の取材はもちろん、現実世界の関係者への取材などを通じ、メタバースの今と未来を追い続けています。

今回の記事では、「メタバースと現実世界の相互性」について見ていきたいと思います。現実世界と真反対のように感じられるバーチャルな空間。一見影響を与えることはなさそうな両者ですが、すでにビジネスで使われており、相互に影響を与え合っているのです。

メタバースの多様な概念と現状

まずは、メタバースという概念について改めて見ていきたいと思います。実際のところ、多様な解釈が存在し、人によって解釈は異なります。VRゴーグルを使うことが必須だという考え方もあれば、そういったものがなくてもアバターを使って交流できれば良いという方もいます。アバターを使ったコミュニケーションでも、2D的な空間も含めてメタバースと呼ぶか、3D空間でなければメタバースと呼べないという考え方もあります。

これがメタバースで、これはメタバースではない。そういう概念が固まっているわけではないのです。ここではバーチャル空間でアバターを使い、ほかの人とリアルタイムにコミュニケーションをとったり、持続的にクリエイティブな活動ができるものをメタバースと呼びます。

そういった概念で考えると、今もっともメタバースという存在に近いサービスとして、ソーシャルVR、もしくはバーチャルSNSと呼ばれるサービスがあげられます。VRChatや、cluster、Resonite(レゾナイト)、バーチャルキャストなどがあります。

プラットフォームの1つ「「VRChat」。その高い自由度から全世界からユーザーが集まる

ソーシャルVRという概念からは外れますが、Robloxやフォートナイトも、アバターを使ってゲーム内で交流をしたり、クリエイティブなコンテンツ制作ができる点ではメタバースと言える要素もありますね。

 このようにメタバースという概念やプラットフォームはたくさんあります。ただ、1つ確実に言えるのは、メタバースは今も広がり続けていますし、新しい可能性を秘めた未来の技術です。

バーチャル空間と現実世界の接点

しかし、冒頭で述べたとおり、「バーチャルな空間は、現実世界とは関係がない」という考え方もあります。あくまでも、メタバースの中で色んなユーザーがモノを作ったり、交流していると認識されているかもしれません。

実際に、バーチャルな空間の中で完結する活動も多くあります。ユーザーがメタバース内でアクションを起こした結果、ほかのユーザーがそこから影響を受けて、新しいコンテンツを作ったり、新たなアクションを起こしたりもします。

例えば、あるユーザーがオリジナルのアバターをデザインすると、それに触発された他のユーザーが新しいファッションアイテムを制作したり、そのアバターを使ったイベントを企画したりすることがあります。このような相互作用は、メタバースの特徴的な現象です。

3Dモデルなどが出品できるサイト「BOOTH+(ブース)」。クリエーターにより制作された、多くのアバターが日々リリースされています

新登場したアバターにあわせた衣装やアクセサリーも制作されています

そういった連鎖が起きて、クリエイティブで自由で魅力的なバーチャル空間が存在するのも今のメタバースならではの特徴だと私は考えます。

メタバース内で多くのユーザーが影響し合い、クリエイティブなアイデアが生まれていく――。それが、私たちが日常を過ごしているもう1つの現実世界の姿なのです。

現実世界でビジネスをしている多くの企業や団体は関係がないのでしょうか。

そうではありません。ここから、事例を紹介しながら考えていきたいと思います。

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