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  3. 発売間近! 産業分野での活用が加速するのか?ソニーXR HMDの活用可能性に迫る

2024年11月13日、エヌビディア主催のユーザー向けイベント「NVIDIA AI Summit Japan 2024」のセッションで、発売が目前に迫るソニーの新型XR ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた没入型空間コンテンツ制作システムが紹介された。産業分野での活用が期待されるXR HMDの特徴と、シーメンスとの連携について解説する。(文=MetaStep編集部)

仮想空間と現実がシームレスに行き来可能なフリップアップ機構

「ソニーのテクノロジーで実現する没入型空間コンテンツ制作システム」という講演タイトルで行われたセッションには、ソニー株式会社 インキュベーションセンター XR事業開発部門 XRディスプレイビジネス統括 近藤博仁氏が登壇した。

HMDの実機を片手に熱く語る近藤氏

「新入社員時にVAIOの設計に携わっていたので、エヌビディアのサミットで登壇するのが感慨深い」と冒頭笑顔で語った近藤氏。

「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」というソニーのパーパスがすべての起点で、今回のXR HMDもそれを体現したものだと語る。没入型空間コンテンツ制作システムは、2024年1月のCES2024で、ソニー、シーメンス両社が現地で発表している。ハードウェアに強みを持つソニーと、産業界のソフトウェアに強みを持つシーメンスが手を組み、イマーシブエンジニアリングを加速させる考えだという。

CES2024での発表の様子

まず、XR HMDの特徴から見ていこう。最大の特徴は、高画質の4K OLEDマイクロディスプレイだ。片眼4K、両眼8Kの高解像度。DCI-P33を最大96%カバーする、大型の1.3型OLEDマイクロディスプレイを搭載する。

現実と仮想空間でシームレスな行き来ができることが本システムの魅力だ

デモ画面では、カメラの設計担当者が、HMDを装着したまま、モデリングから質感や色の確認までの工程を行う様子が投影された。3Dオブジェクトの質感や色を精細かつ忠実な色再現で表示することができ、設計者にとっては現実と仮想空間を融合したかつてないクリエイティブな制作環境になるだろう。

ディスプレイ部分のフリップアップ機構も特徴の一つだ。HMD全体の着脱による各種調整の手間を最小限に抑えられるのは、作業効率が上がりそうだ。

様々な構造の検討を重ねたうえで、フリップアップ機構は完成した

近藤氏は「バッテリーが後ろについており、適切な重心位置を実現しています。長時間の装用でも快適ですし、眼鏡にも対応しているんですよ。このフリップアップ機構は、ソニーでハンディカムの設計を担当していた者が手掛けたもので、こうした細部にソニーの技術が詰まっているんです」と嬉しそうに語る。

長時間の作業に難があると言われてきたHMDの課題に応える設計だ

個性的なコントローラーで3Dダイレクトモデリングを可能に

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