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2024.04.10

建設現場におけるデジタルツインの活用事例4選を紹介

デジタル空間上に現実世界の建物や環境を3DCGで構築するデジタルツイン技術は、元々製造業や建設業界を中心に活用が広がっています。ただ、業界の中で働いていない読者の皆さんにとっては、実際にどのような現場で活用されているのか、イメージがわきづらい方もいるでしょう。

MetaStep(メタステップ)では、Web3・メタバースのビジネス活用を進めていくためには、他業界での活用事例や技術動向を知りヒントを得たり、引き出しを増やすことも重要なステップであると考えています。今回は、建設現場において、デジタルツインを現場に導入している企業の事例を4つ紹介します。現在違う業界で働かれている方も、是非知識のアップデートを頂き、ビジネス活用のヒントにして頂ければ幸いです。

(過去に掲載したデジタルツインの基礎知識「デジタルツインとは?メリットや活用事例を紹介」も是非併せてご覧ください。

鹿島建設|建設の全行程をデジタル化

(引用:鹿島建設

鹿島建設は、デジタルツイン技術を活用し、企画・設計から竣工後の維持管理・運営の一連のプロセスをデジタル化しています。

オービック御堂筋ビル新築工事でも全工程をデジタルツイン化。企画・設計フェーズにおいてビル風や気象シミュレーションを行い、周辺環境への影響評価や規格化したモジュールの評価・改善が行われています。

モジュールとは:基礎工事から建設を進めるのではなく、工場で製作したパーツを現地に輸送し組み立てる工法のこと。

コマツ|建設現場の高性能な3次元データを再現

建機メーカーのコマツは、建設現場のデジタルツイン化を推進しています。建設機械にセンサーを取り付け、稼働状況をリアルタイムで把握することで、施工の効率化や安全性の向上を図っています。

ドローンで空中から効率よく施工現場を測量し、高性能な3次元データをデジタル上に再現。正確な3次元データを一括管理することで、より詳細な施工計画の作成が可能になります。

清水建設|スマートシティ開発にデジタルツインを活用

(引用:清水建設

清水建設は、デジタルツインを活用して「豊洲スマートシティ」の開発に取り組んでいます。 

スマートシティとは、情報通信技術を活用して都市の様々な課題を解決し、住民の利便性や快適性を向上させる都市のことです。データの活用やエネルギーの最適化、交通システムの高度化などにより、持続可能な発展を目指しています。

都市全体をデジタルツイン上で再現することで、施設利便性の向上や新規サービスの事業開発のシミュレーションを行っています。

大林組|だれでも簡単に操作できるデジタルツインアプリの開発

大林組は、建設現場のデジタルツインを構築できるアプリ「CONNECTIA」を開発・提供しています。高性能なPCや特別なスキルが無くても、だれでも簡単に利用できる点が特徴です。

デジタルツインデータはクラウド上に保存されるため、場所を選ばずに実際の現場状況を確認できるメリットがあります。

また、現場巡視で発見された指摘事項や是正指示を、デジタルツイン上に付箋のようにマークすることも可能。マークにはコメントを残してチャット形式でやりとりできるため、指示や是正内容を現場と容易に共有可能です。

まとめ

建設業界では、デジタルツインの活用が急速に広がっており、設計、施工、運用の各段階で効率化やコスト削減、安全性の向上が図られています。

こうした建設現場での導入事例は導入コストも高額なため、今回ご紹介した事例も、大手建設企業の事例になっています。しかし、将来的にハード面、ソフト面共に技術革新が進むことで、コストが低減される可能性もありますし、教育研修やシミュレーションなど、限定的なデジタルツインのユースケースも存在してます。

リアルと距離が近い「デジタルツイン」技術は日進月歩ですので、最新情報をキャッチしておくことをおすすめします。今後MetaStepでも、デジタルツインの分野についても引き続き情報をお届けしていきます。