Web3のビジネス活用を進めるために、まずWeb3についての正しい知識をインプットすることが必要不可欠です。今回、MetaStep(メタステップ)編集部は、是非Web3に詳しい方にコラムをご寄稿頂きたいと、パートナー企業であるNTTデータさんとご相談。
金業業界を中心にITのグランドデザイン策定などを手掛け、『Web3と自律分散型社会が描く銀行の未来』の著者でもある株式会社NTTデータ山本英生さんと土田 真子さん、相川 あずささんに連載コラムをお引き受け頂きました!
タイトルは「知っておくべきWeb3の本質」です。コラムを通じ、読者の皆様のWeb3への関心や見識が少しでも深まって頂けると嬉しいです。では、皆さまよろしくお願い致します。
グリーン、量子コンピュータ、AI、RPA、データマネジメント、センシングファイナンス、メタバースなどの幅広いテクノロジー領域について各種コンサルティングや情報発信を実施、金融版NTT DATA Technology Foresightも責任者として推進。
山本 英生
大規模金融システム開発、金融系コンサルタントを経て、現在は「テクノロジーは金融ビジネスを大きく変革させる」ということを主なテーマとし、金融ビジネスに影響を及ぼすテクノロジートレンドを、金融版NTT DATA Technology Foresightで調査・発信。
土田 真子
入社以降、金融業界を中心とした数々の基幹系/情報系システムの開発にデータベースエンジニアとして従事。現在はWeb3やメタバースを含むテクノロジートレンドに係る情報発信や戦略検討、新規ビジネス発掘に取り組む。
相川 あずさ
Web3という言葉はいろいろなところで目にしていると思いますが、改めて説明をしてみたいと思います。Web3を一言でいうと、分散型のインターネットの概念、といえると思います。もう少し丁寧にいうならば、詳細は後ほどきちんとご説明しますが、Web2.0と言われている巨大テック企業への権力集中に対する批判から、「分散的」かつ「民主主義」的な手法で新たな経済システムを生み出し、その成果を利用者に分配する世界観がWeb3である、という風に言っても良いと思います。
技術的な観点ではビットコインの登場により注目を浴びたブロックチェーンという分散処理技術の急速な社会的な実装がもたらしたトレンドといういい方もできるでしょう。なお、論者によってはWeb3とWeb3.0を同義に語っている人とそうでない人に分かれますが、本稿では意識して別物として記述しております。一方で分散型のインターネットという意味合いでWeb3.0と使っている限りにおいては同じ意味あいではありますので、あまり細かく区別せずとも意味が通じればよいとも思っておりますので、そういったノリで以降読んでいただければ幸いです。