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2024.11.15

【連載】今こそ「サービス」の本質を知ろう《第4回》サービス価値共創の仕組み ~メタバースの原則(第1.0版)との関係も考察する~

Web3やメタバースをビジネス活用するうえでも重要な「サービスを設計して管理すること」。サービスの本質やサービスマネジメントを学ぶ連載の4回目です。今回は「競争優位性を生み出す」という視点でご寄稿頂きました。では、DIG2ネクスト鈴木 寿夫社長、今回もよろしくお願いいたします!

DIG2ネクスト株式会社 代表取締役 鈴木 寿夫

1993年に日本ディジタルイクイップメント(現日本HP)入社。2007年に日本人第1号として「ITIL V3」のエキスパート認定資格を取得。2008年12月に同社設立。デジタルサービスマネジメント(VeriSM)、マルチサービスプロバイダエコシステムの統合管理(SIAM)の講師と企業向けのサービスマネジメントやDXに関するコンサルティングに従事し、豊富な経験と知見を持つ。

今回は「サービス価値共創」とはどういう事なのかを考えていきたいと思います。

まず「共創」とは、英語ではco-creationと表現します。「共に(co-)創る(create)」ということを意味していることは直ぐに理解できると思います。では誰と誰が何を共に創るのでしょうか?

それはサービス提供者とそのサービス利用者が「サービスの価値」を共に創ることです。「サービス価値」とは “サービスによってもたらされる価値” なのですが、サービスを提供する側とそのサービスを利用する側の両者にとって望まれる成果が共にもたらされるということがポイントとなります。つまり両者にとってWin-Winの関係になっているということです。

古くからある「サービス価値共創」には、銀行(サービス提供者)と銀行に預金をしたり銀行から融資を受けたりする人(サービス利用者)との共創関係があります。預金者は、お金を安全に保管することを望み、銀行は預金者からお金を預かり安全に保管するサービスを提供します。銀行は、預かったお金を融資が必要な人に貸付け、融資を受ける人はそのお金によって事業を拡大したり、生活をより豊かなものにするために住宅を購入したりすることができます。

この銀行と預金者や融資を受ける人は、安全なお金の保管や融資といったサービスによって望まれる成果を両者で共創しており、銀行は預金者がいなければ様々なサービスを提供することができませんし、融資を受けたい人は銀行が融資のサービスを提供してくれなければ、住宅を購入することができないといった、持ちつ持たれつの価値共創の関係になっています。

つまり、サービスというのは本来  一方的に価値を提供することはできず、サービス提供者とサービス利用者の両者が存在することで “両者にとって望まれる成果を共に創り出すこと(=サービス価値共創)” が可能になるのです。

Web3・メタバースのサービス価値共創

本連載の第2回「メタバースにおける『サービス志向』の重要性」でお話したように、メタバースもシステムとして考えるのではなく、サービスとして捉える必要があります。

つまりメタバースのプラットフォームをサービスとして提供する「プラットフォーマー」と、そのプラットフォーム上に仮想空間であるワールドをサービスとして提供する「ワールド提供者」も、メタバースを利用するユーザ(サービス利用者)と一緒にサービス価値共創が行われるということを意味します。

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